11月例会の様子
長崎県美術館所蔵の<ハエの楽園>1999年エドゥアルド・アローヨ作
この謎めいた絵について園田尚弘先生にお話ししていただきました。
フランスとの国境の町ポル・ボウで起きた、ある悲劇を題材にしています。
市民戦争終了後に第二次世界大戦が始まり、ドイツから逃れてきたユダヤ人の著名な作家ヴァルター・ベンヤミンは
ポル・ボウにたどり着き、アメリカに亡命する為リスボン行きを図るのですがスペイン入国を拒否され、落胆のあまり自ら命を絶ちます。
絵の構成はポル・ボウの風景にベンヤミンの肖像が二つ浮かび、その手前に逆さまになった乳母車、周りを蝿が逆さまに整列し縁取られ
外側の蝿は金属製の細工物を貼り付けています。色んな見方ができると思いますが、とても興味深い作品ですね。 2018年11月24日