講演者   椎名 浩 氏

演題   長崎開港とスペイン人・スペイン帝国と長崎

 要旨 スペインと日本の最初の交流の時代、スペインはヨーロッパ各地の領土はもとより南北アメリカ、

アジア一角にまで君臨する「帝国」であり、ことに天正遣欧使節も謁見したフェリペ2世はその絶頂期を体現する人物として知られる。ところがその「帝国」なるものは、実際には独自性を保った大小多数の「王国」に一人の王が同時に君臨して成り立つ複合体であり、近代的な統一国家を見慣れたものにとっては容易に理解しがたい様相を呈する。

 興味深いのは、当時日本を訪れたヴァリニャーノらはこうした国家観を日本理解にも応用し、日本を大小66か国の複合体としてとらえていること、くだって鎖国時代、オランダ人の情報や輸入地理書の知識をもとにスペインに接した日本人も、スペインのこうした複合的な統治構造についてはさほどの困難なく理解していたらしいことである。講演ではこれらの事例を紹介するとともに、都市長崎の記述についても触れたい。

 

講師プロフィール (しいな ひろし)

 1966年熊本市生まれ。中央大学大学院博士後期課程(西洋史学専攻)中途退学。大村市教育員会勤務等を経て、現在熊本学園大学、福岡女学院大学等非常勤講師。

専攻:スペイン中・近世史、日本・スペイン交流史。

主な著作:『日本・スペイン交流史』(共著、2010年)『集いと娯楽の近代スペイン セビーリャのソシアビリテ空間』(共訳、2011年)『日本とスペイン 文化交流の歴史―南蛮・キリシタン時代から現代まで』(坂東省次と共著、2015年)

 

 

 

 

 

 

 

 

日時:202011月8日(日)14:0015:30
於: 日本二十六聖人記念館 ホール3階、記念聖堂前から入る

26聖人記念館3F Hall

 

主催者:

長崎スペイン世界友の会

 

事務所;中園町17-14

電話・Fax: 095-844-3318

問合せ: 田村 090 8830 6407